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【留学レポート】サラワク大学 古藤あずさ(2015年4月)

みなさんこんにちは。北九大では卒業式も終わり、新しい学年へ気分も一新している時期だと思います。

サラワク大学では、後期が1ヶ月度過ぎ、中間テストが始まる時期です。

今回のレポートでは、実際に生活を共にしないとなかなか知ることのできないムスリムの女性達の服装事情、スカーフのことについて紹介したいと思います。

 

みなさんも「ムスリム」「イスラム教徒」と聞いてすぐにイメージするのは、髪や顔をスカーフなどで隠す女性の姿、頭に白や黒の帽子、ターバンのようなものを巻いた男性などではないでしょうか。もしかしたら、最近ニュースでよく耳にするイスラム国のイメージから「イスラム教」=「テロリスト」「危険」と思ってしまう人もいるかもしれません。実際、私自身も「そうじゃない」と頭で思っていても、マレーシアに来るまでは刷り込まれたイメージが強く、実際のところを知る機会もないままでした。ですがやはりそのイメージは全くもって誤解、それはまるで他県の人の「北九州」=「ヤクザの街」「危険」のイメージと同じでした(笑)。仏教やキリスト教、また日本の神道などとも違い、イスラム教はその特徴が際立っている上、日本ではなかなか接することのない宗教のため謎に満ちてますよね。それがまたイスラム教を独特な宗教にしている気もしますが、学んで、知ってみると他の宗教と同じようにひとつの宗教だということがわかります。

写真1

 おそろいのジュバというロングドレスに身を包んで。よく見るとスカーフの長さや形態、巻き方が異なっているのがわかります。

 

 まず、ムスリムの女性は基本的に身体の中で、手のひらと髪の毛以外の全ての部分を服で覆い隠します。それは、将来の結婚相手のために貞操を守っている、純潔であることの証です。家の中、家族の前ではスカーフ(トゥドゥン・ヒジャブ)を脱ぐこと、半袖半ズボンに着替えることは可能です。ですが、来客があった時などは家の中でもトゥドゥンをつけます。トゥドゥンの着用は個人が選択できます。正確な割合はわかりませんが、およそ1クラス(女子50人とします)に一人はつけない女の子がいる、という印象です。ですので、実はスカーフの有無によってムスリムか非ムスリムかは見分けられません。ですが、多くの女の子はイスラムの習わしに従い、初潮が始まる頃になるとスカーフをつけ始めます。顔を隠し、目だけをだすNiqabというものもありますが、こちらも個人の選択です。Niqabの付ける人はひとつの学部に2人〜3人(おそらく100人に1人くらい?)といった割合です。

 

よりわかりやすいのがクラスメイトの女の子達です。民族衣装のバジュクロン、ジュバを着用する人もいればタイトなジーンズをはく人も。胸元までスカーフで覆う人もいれば、肩までの人、そしてスカーフを付けない人も。ですが全員ムスリムの女の子です。

 

【トゥドゥン(Tudung)の種類】

トゥドゥンには様々な種類があり、バンダナを思わせる正方形のもの(Bawal Segi Empat大きいものはJijab)、長方形のスカーフ型(Wide Shawl)、日本では肩にかけるような少し厚手のショール、そして運動時や作業時によく用いられる、伸縮性のある生地であらかじめ顔の部分が丸く空いており、上からかぶり顔を出すだけでよいもの(Syria)などなどです。正方形、長方形のトゥドゥンには大小長短があり、それは個人の宗教性によって選ばれているようです。大多数の人は、巻いたときに横の長さが肩と肘の中間あたりにくるものをつけ、胸部が隠れるようにトゥドゥンを巻いています。全体の2割程度の人は、トゥドゥンの長さが肘下あたりまである大きいものを着用しています。またそういった女の子達は基本的にズボンを履かず、常にゆったりとしたロングスカートなどで身体のラインを隠しています。

 

【トゥドゥンの巻き方】

トゥドゥンの付け方、中はどうなっているのか?実際に見てみるととてもシンプルです。まず髪の長い人は一つにくくります。その後ウィッグを付ける時に髪をまとめるネットのようなものをかぶり、髪がこぼれでないようにします。そしてトゥドゥンを巻き、ピン(主に1円玉程度の大きさのブローチ。ですがマチ針も使われます。刺さらないのか見ていてドキドキ。)でまずあご下をとめ、顔に巻きつけ長さを調節しつつ後頭部へ留めていきます。巻き方も様々ですが、実は一番顔の印象を決めるのはおでこの部分です。スカーフの端をおでこにくっつけて巻くか、三角系にしておでことスカーフの間に空間を作るか。顔の形やサイズによって似合う似合わないがあるらしく、基本みんなどちらかを選択してその方法で毎日スカーフを巻いています。

 

左の女の子は正方形のBawalをかぶり、おでこに空間を作っています。右の女の子は細長いShawlを巻き、おでこの部分は額につけています。

 

日本人、私自身の感覚からすると、髪の毛がないとカラーやスタイリングのおしゃれもできないし、顔が大きく見えるようでトゥドゥンの美的感覚はなかなか理解できませんでした。初めて私も友達に巻いてもらった時に、いろんな人から「すごく綺麗に見える!」「トゥドゥン巻いてた方が断然美人だよ!」と言われたのですが、私としては顔の大きさがどうにも気になり、その時に赤いトゥドゥンを巻いていたせいもありまるで小豆のような頭だなぁと思ったのをよく覚えています。ですが、ムスリムの女の子たちはトゥドゥンの色、柄、巻き方、デザインなどでおしゃれを楽しんでいます。重要なのは服との色と柄の合わせ方で、必ず着ている服にある色の同系色か対抗色を選びます。例えば水色の服ならば青いトゥドゥンかピンク(!)そして服にパターンがあればトゥドゥンは無地を、服が無地なら柄物のトゥドゥンを選びます。初めはイスラム教でどうおしゃれを楽しむことができるのかと疑問に思っていましたが、色々なおしゃれのルールを学んだ後はどんな文化や服装形態であれ、美的感覚やおしゃれのセンスは存在するということを再確認しました。


カテゴリー: 2014秋, サラワク大学, 留学レポート
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