【留学レポート】 ピッツバーグ大学 山下遥香・田中彩夏 2017年5月
2017年05月02日
※今回は最終レポートですので、田中・山下2人で担当しています。
(PITT日本人交換留学生+院生のともさん)
遂に夢の中のようなピッツバーグ大学での留学が終了致しました。皆さん、お久しぶりです、田中です。昨晩、無事に帰国致しました。何からお話すれば良いのか正直分かりません。私自身、文章を纏める事が苦手なので、纏まりのない最後の留学レポートになっておりますが、最後まで読んで頂けると幸いです。
この留学の原点から振り返ると、やはりIELTSでの苦悩を思い出します。中々スコアが出ず、IELTSに専念にした大学1、2年生。正直、こんなにIELTSだけで苦しんでいる人間がアメリカに留学したとしても苦しいだけ。英語力どころか、一人でも何もできない自分が果たして、全ての物事を乗り切ることができるのか。IELTSの勉強しながら、ピッツバーグでの生活をしている自分を想像すると「自分の行くべき所ではないなぁ。」と思っていました。でもスコアが取得できた時に、滲み出てくる達成感や、家族や友達の励ましが支えとなって、無事に留学を終えることができました。
私はピッツバーグに来て、生活の波に乗るのに中々苦労しました(涙)やはり授業は正直想像以上にきつかったです。第二言語で専門分野を学ぶので、人一倍努力と時間を要しましたが、苦労した分、得たものは英語力や知識だけでなく、人間に大切な根性や忍耐力といった精神も鍛えられたように感じます。でも、間違いなくクラスメイトの支えがここまで私を引っ張ってくれました。 特に春学期に受講した授業に関しては、授業を通して友達が一気に増えた分、毎回の授業で会える安心感、授業後のハングアウトが私の生活のルーティンでした。 一人でどうにもならない時、側には仲間の存在が常にありました。彼らとは一生の友人ですし、彼らと過ごした時間が私の宝物です。
冬休みに、バージニアにいるホストファミリーとの7年ぶりの再会もこの留学の一つの目的でした。彼らに会った瞬間、タイムスリップしたかのように感じる時あの感覚が何とも言えません。会えた時、パパに走ってハグをしに行ったら、パパは、「Ayaka重くなったね!」と言われました(笑)。アメリカにも帰る家があったと思うと、涙が止まりませんでした。家族の温かさが、日本の家族に会えたかのような気分がして、本当に嬉しかったです。最近SNSが発達し、手紙文化が無くなってきているように感じますが、私達はこれまでの期間、文通で関係を築いてきました。これからも文通を続けてまたいつか再会を果たしたいなと思います。
それと、一緒にこの留学生活を送ってきた、私を含めて6人の日本人交換留学生。人数が少なかった分、本当に仲良くて、尊敬できる仲間。何より北九大から一緒に行き、苦楽を共に過ごしてきた、山下遥香には感謝の気持ちでいっぱいです。何か辛い事があると全て受け止めてくれて、親身になって聞いてくれました。彼女なしでは、私のピッツライフは語れません。それぞれ、留学の目的、個性、重きを置くものが違います。得意不得意も違います。私は助けてもらうばかりの立場でしたが、お互いを認め合い、高め合うことのできる素敵な仲間との出会いに心から感謝です。
まだまだ共有したい事が沢山あるのですが、このレポートでは書ききれません。最後に私が一番伝えたいことは、自分の可能性を信じる大切さ!綺麗事のように聞こえますが、いざ何か苦難が目の前にあっても、自分が頑張るしかないのです。友人の助けは、自分の努力の評価の結果だと思います。人間的にも、語学においても、少しは成長できたのではないかなと思います。次の目標を見つけてまた今日から頑張ります。最後に、この留学に携わってくださった皆様、本当に有難うございました! Hail To Pitt!
*写真(1)よくハングアウトしていたお友達
(2)帰国の際ピッツバーグ国際空港にて友達サプライズ。卒業ガウンを着させてくれました。
以下、山下の最終レポートになります。
こんにちは。田中のレポートを読みながら、こんなこともあったな、あんなことのあったな…と数えきれないほどの思い出を振り返りながら、この時期になってようやく9か月間の短さを実感している比較文化学科4年 山下です。ついに最終レポートを提出する日が来てしまいました。2016年8月17日、ピッツバーグ国際空港で田中と現地集合してから、早9か月。Time Fliesとはよく言ったものですが、全くその通りで、思い返せば一瞬のうちに過ぎ去っていった留学生活でした。この21年間の中で、最も多くのことを学び、多くを経験した一年間。短いレポートではまとめきれないほどの思い出がありますが、今回の留学レポートでは、留学を目指している、また留学決定済みの北九大生の皆さんに向けて(特にアメリカ)、伝えたいことをまとめたいと思います。
1点目。渡米前ぎりぎりまで、英語をブラッシュアップすること。交換留学の合格決定を受けて安心し、「しばらく英語の勉強は休憩!」なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何事も「先んずれば人を制す」。誰よりも先に行動し、短い留学生活をより充実させられるようにリードを取りましょう。(もっとも、留学の目的は人それぞれなので、他人と比較して成功度合いを測れるものではありませんが)
2点目。自分に自信を持つこと。留学が始まってからしばらくの間は、できないことや伝わらないこと、うまくいかないことの多さに、愕然とするかもしれません。同じインターナショナルの枠でも、ヨーロッパ勢をはじめとし、アメリカの高校を卒業したアジア人(主に中国人)など、ネイティブ並みの英語力を持つ学生はたくさんいます。そんな時は、「あれがない、これもない」と持たないものを思い浮かべて自信を失うのではなく、どうか自分が持っているものに目を向けてみてください。今まで自分が学んできたこと、自分の性格、「笑顔が素敵」なんかでも良いし、なんでもいいのです。勿論、日本人であることも強みの一つです。どうかそれを忘れずにいてください。自信がある人は輝いて見えますし、そういうあなたを好きになってくれる人はたくさんいるはずです。
3点目。友人をたくさん作ること。これは留学に限りませんが、新しい場所に移るときの一番の楽しみは、新しい友人ができることではないでしょうか。常に笑顔で、オープンマインドでいることは、アメリカで沢山の友人を作る上で最も重要なことです。私自身、日本だとやりすぎだと言われる顔の表情(ヒント:よく横澤夏子に似ていると言われます笑)と、24時間365日元気な性格が功をそうしてか、アメリカで本当に素敵な友人が沢山出来ました。中には、一生付き合っていきたい本当に大切な友人も沢山います。彼らなしに私の留学生活は語れませんし、精神的にきついときにそばで支えてくれたのも彼らでした。Special Thanks & Love to Nina Ordinario, Miao Ye, Casey Maher, Lucy Chiem, Justina Moktan, Paige Bruckner, & Shay Dong.
4点目。自分から積極的に動くこと。「お客様」にならないこと。待っていてもなにも始まらないし、誰も何もしてくれないのがアメリカです。「郷に入っては郷に従え」。誰かに助けてほしいときは、自分から動きましょう。助けを求めたら、大抵のアメリカ人は喜んで助けてくれます。彼らのホスピタリティー精神は本当に素晴らしいです。興味があること・ものはどんどんアピールして、できるかぎり情報を取り入れ、様々なことにチャレンジする機会を得てください。
5点目。決してさぼらず継続すること。これは留学をこれから目指す学生の皆さんに向けて伝えたいことなのですが、当たり前を当たり前にこなすのが何より難しいのが、大学です。学期始まりの5月、1年生の皆さんは、慣れない大学の講義に訳のわからないテーマのレポート、始めたばかりのアルバイトなどでてんてこ舞いの毎日を送っていることと思いますし、2・3年生は、大学に慣れて、講義やレポートのサボり方を覚えて適当にこなせるようになってしまったり、断れないアルバイトのシフト(社会の闇ブラックバイト)などで忙しかったり、などと絶賛大学生の皆さんは、それぞれに違った苦労をしていることと思います。思っていたより「暇」ではないのが、大学生です。プランがないと、何も達成しないまま、あっという間に卒業です。決してさぼらず自分を磨き続けてください。
ここからは私個人の話になりますが、私のGPAは大して良くありません。大学1年の終わりに3.6だったGPAは、3つ掛け持ちしていたアルバイト(週5-7)の忙しさにかまけているうちにどんどん落ちていきました。しかし、一つだけ決してサボらずに毎日続けたのが英語のシャドーイングでした。1日3つのバイトをはしごし、朝8時~深夜1時まで働いていた毎土曜日でさえ、サボらずに続けました。その結果、留学前に初めて受けたIELTSで規定スコアをクリアし、PITT大に留学に来ることが出来ました。勿論、GPAを落としてしまったことに関しては本当に後悔していますし、どうにかできなかったものかと当時の自分を叱ってやりたい気持ちに駆られますが、自分がこの3年間で達成してきたことに対しては誇りを持っています。
当初、「留学を経験せずとも流暢な英語は話せるし、国際人としての教養も身に着けられる」という考えから、留学に否定的だった私が、PITT大に来て、今思うのは、「成長度」の差です。当初の考えは今も変わっていませんし、むしろそれを身に着けた状態で留学に行くべきだとも思っていますが、北九大で過ごした2年半と、PITTで過ごしたこの9か月間の自分の成長度を比較すると、間違いなく後者に軍配が上がります。数え切れないほどの「身の丈を超える」経験をし、人種や宗教、文化など、様々な要素が異なる人々と交流し、対話する中で、今まで大学で学んできた「比較文化」的視点をすべて「現実」に落とし込んでとらえることが出来るようになったように思います。先ほど名前を挙げた大好きな友人の1人は、アメリカ軍に務めながら、大学に通うアジア系の男の子です。きっと私は、これから何かしらの紛争や戦争が起こり、アメリカ軍の介入が決定するたびに、彼のことを想うでしょうし、心から心配し、祈ることになると思います。今までニュースで何気なく聞いていた、もしくは聞き流していたことが、すべて自分の「リアル」になる経験は、日本の外に出て、今までに関わりを持つことのなかった人々と関わることでしか得られません。そういった意味でも、単に英語なんかのためではなく、自分自身の成長のために、自分の「comfortable」ゾーンの外に出る「留学」を、これからは後輩にどんどん勧めていきたいです。
短くまとめるつもりが、かなり長くなってしまいました。(笑)これが今の私が伝えたいことのすべてです。最後になりましたが、この場をお借りして、この9か月間、私と一緒にPITTで頑張り続けてくれた英米4年の田中に心からの感謝を伝えたいです。彼女がいなければ、乗り越えられなかったことが沢山あります。私は、この9ケ月間に近親を3人亡くしました。今でも信じられないし、彼らを思うと涙がこみ上げてきますが、それでも覚悟してアメリカに来た身。帰国するわけにはいきませんでした。そんなときに支えてくれたのも彼女でしたし、彼女がいないPITTでの9か月は想像できません。彩夏、本当にありがとう。加えて、9ケ月間私を日本から応援してくれた家族、友人たち、またPITTで出会った社会人の皆さん方、PITT交換留学組5人、TOMOさん、その他にも、この9ケ月間応援してくださった沢山の皆さんに心から感謝しています。本当にありがとうございました。帰国後はまた新たな目標に向かって頑張りますので、引き続きこれからもよろしくお願い致します。H2P!
2017年5月1日 文学部比較文化学科4年 山下遥香
最後にPITT日本人交換留学生と卒業写真代わりにとった集合写真を載せてレポートを閉じます。
ありがとうございました。