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2024年2月【留学レポート】オックスフォード・ブルックス大学 経済学部経営情報学科3年 T.O

2024年03月05日

2月のレポートを担当します、経済学部経営情報学科3年のT.Oです。約1か月のクリスマス休暇が終わり、1月下旬から後期の授業が始まりました。後期では、ビジネス学科の授業を3つ、日本語学科の授業を1つ履修しています。これからOBUに交換留学する学生に対して私がおすすめしたい授業が、今学期履修している日本語学科の授業(Tandem Language Learning)です。この授業では私たち日本人と、OBUの日本語学科に所属している外国人学生(日本に交換留学経験のある4年生)が2人ペアになり、学期末にペアで行われる10分間(日本人は英語で5分間、OBUの学生は日本語で5分間)のプレゼンテーションのための準備を行います。この授業は、一般的な講義がなく、毎週パートナーと時間や場所をそれぞれ相談して、2時間ほど集まって日本語と英語で各30分間雑談をした後に、1時間プレゼンの準備を行うという流れになっています。この授業では、パートナーとの共通の趣味や、お互いの出身の国の文化など、様々なテーマについて会話するので、新しい発見もあり、とても楽しいです。私はこの授業を知ったきっかけが、留学前にOBUに留学していた北九大の先輩の留学レポートだったので、興味がある人は是非履修してみてください。

話は変わりますが、先月のクリスマス休暇期間中に3週間リュックサック1つで、スペイン・ポルトガル・イタリアへ1人でバックパッカー旅行に行きました。私は、全日程ユースホステルに宿泊しました。ヨーロッパでユースホステルは1人や少人数で旅行をする若者に人気のコストの安い宿泊先で、私は毎晩ゲームやイベント(カラオケ等)があるホステルに多く滞在したため、そのイベントや交流スペースで、世界中の人と知り合い、本当に多くの友達ができました。商社を退社して世界一周中の若い日本人男性や私のようにヨーロッパに留学中の日本人学生、久保建英選手の所属するレアルソシエダを観戦するために有給を駆使して旅行に来た同年代の小学校の先生など多くの日本人だけでなく、留学先だけでなく旅行先でこそ出会えた世界中の様々な人々と交流できた時間と経験は一生忘れないと思います。

マドリードのホステルで出会ったアルジェリア人との話を少ししますが、彼は数週間前に家族を残して1人でマドリードに避難してきたそうです。アルジェリア国内は近年政治の混乱が一層深刻化しており、汚職問題もあり、国民の政府に対する反乱がみられるようです。汚職に対して反発した人はもちろんですが、何もしていない人(特に若者)も刑務所に入れられることが多々あるそうです。彼は、その最悪な状況を免れるために「私は何もしていないのに、このままだと刑務所に入れられてしまう。家族を残してマドリードに逃げてきた。ビザが切れても、状況が変わらなければ不法滞在する」と言っていました。彼は私がホステルに着いたその日に、スペイン政府からの難民生活支援を受けるために、持っていたたくさんのお菓子をバックに入らないからと私にくれたあと、チェックアウトして出ていきました。母国で修士課程も取って働いていた優秀な若者が、近年の国内情勢の悪化により、母国から逃げてこのような状況を強いられているという状況を直接聞いたことで改めて海外における政治の不安定による事の深刻さを現実的に認識でき、日本ではほとんど報道されない北アフリカ諸国の汚職の蔓延やそれに伴い苦境に立つ若者の実状を知れたことはとてもいい経験になりました。この旅行を通じて出会った人たちと一緒に交流した時間と経験は私にとって留学中の大きな財産の1つになったので、ぜひ留学する人は、現地で出会った友達との旅行も楽しいですが、1人旅行にチャレンジすることを強くお勧めします。移動手段や宿泊先の確保、現地での危機管理能力やハプニングに対応する問題解決能力、周りの現地の人に相談したりするコミュ力、そして多くの世界中の友達・留学後も繋がれるネットワークを作れる貴重な経験ができると思います。

後期になって授業や部活動などにも慣れてきたので、オックスフォードの中心部にある劇場でボランティアを始めました。この施設は2つのホームレス慈善団体によって運営されており、あらゆるバックグラウンドを持つ人々(従業員と顧客)が物語、創造性、芸術を通じて、他者とつながる機会を提供しています。シアターだけでなく、展示場やカフェなどもあり、交流の場として賑わっています。私の仕事としては他のボランティア2人と一緒に、シアターが始まる前に入り口でモバイルチケットをスキャンしたり、名前を聞いて予約者名簿の確認をしたりして、終わった後は帰っていく人たちを出口で見送ったあとに飲み物やお皿の片づけを行うといったとてもシンプルなタスクです。無料のお菓子や飲み物がついてくるうえに、お客さんの横に座って一緒にプロのパフォーマンス(劇、コメディー、ダンスなど)を無料で見ることができます。他のボランティアの人や従業員、そしてお客さんは皆優しく、シアターが始まる前には彼らとテーブルを囲んでおしゃべりして、時間になったら働きつつも開演中は自分もお客さんのひとりとしてパフォーマンスを見れるので、とても楽しく働けています。

留学生活は残り3か月間しかなく、逆にいえばあと3か月もあります。この期間はこの留学を締める特に貴重な期間なので、やりたいことはなるべくやって、帰国したいと思います。