留学レポート現在海外留学中の学生からの近況報告をお知らせします。

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2025年4月 フォート・ルイス大学 外国語学部英米学科 K.S.

2025年07月29日

皆さん、こんにちは。

2024年8月からFort Lewis College(FLC)に交換留学に来ているK.S.と申します。慌ただしかった4月が終わり、長かったこの留学生活が幕を閉じようとしています。寮から実家に帰っていく友人たちやルームメイトとの別れはとても悲しかったですが、また必ず日本かアメリカで再会しようと、そう話していました。

4月はこれまでの留学期間を締めくくるにふさわしく、最も慌ただしい期間でした。

[学会発表]
4月9日〜11日にシカゴで開催されたThe 61st MBAA International Conferenceに、FLCの学生として参加し、プレゼンテーションを行いました。9月から準備を始め、長い期間取り組んできただけに、本番ではとても緊張しましたが、無事に発表を終えることができて本当に安心しました。このような貴重な機会をいただき、授業と並行しながら何ヶ月にもわたって丁寧にご指導くださった教授には、本当に感謝してもしきれません。ありがとうございました。今回のリサーチ活動を通して、発表内容に関する知識や英語力だけでなく、データ収集力、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった思考力など、さまざまな力を高めることができたと感じています。
学会終了後は、一緒に来ていたアメリカ人の学生2人とともに、美術館を訪れたり、シカゴ名物のディープディッシュピザを堪能したりと、観光も存分に楽しみました。中でも特に印象に残っているのは、「Architecture Boat Tour」という、ボートに乗って歴史的建造物を巡るツアーです。シカゴの美しい街並みを川から眺めながら、その背景にある建築の歴史を学べる貴重な体験でした。

[ロサンゼルスキャリアフォーラム]
4月19日・20日には、ロサンゼルスで開催された日英バイリンガル向けの就職イベントに参加してきました。皆さんは「ボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム)」をご存じでしょうか?今回参加したイベントは、その主催団体であるCFN(キャリアフォーラムネットワーク)が運営する、春開催のバージョンです。海外の大学に通う学生や交換留学生など、海外経験がある日英バイリンガルを対象とした大規模なイベントで、その場で内定を獲得することも可能です。イベント後にはロサンゼルスにあるリトルトーキョーという日本をモデルにした繁華街を、イベントで友人になった方々と一緒に散策しました。日本のものと相違ないスーパーマーケットを訪れたり、日本企業が提供している日本食を食べたりして楽しみました。やはり、自分の舌はいつまでも日本人のままだなと実感しました。

[2025 Katz School Student Spring Award]
先日、FLCの学部の一つである「Katz School of Business」より、「Katz School Representative Award」を受賞いたしました。留学生活では困難なことも多くありましたが、これまでの取り組みが評価されたことを大変光栄に思うとともに、この期間がいかに実り多いものであったかを改めて実感しています。
なお、Katz School of Businessは、世界のビジネススクールのうち約5%しか保有していないとされるAACSB認証を取得しており、そのような質の高い教育環境の中で学び、評価されたことに深い誇りを感じています。今回の経験を糧に、今後もより一層努力してまいります。

[FLCでの留学で注意するべきこと]
FLCは、私たちが普段生活している北九州とは気候が大きく異なるため、注意が必要です。FLCは標高6,844フィート(約2,085メートル)に位置しており、これは九州にあるどの山よりも高い標高です。そのため、寒暖差が激しく、日々の気温の変化に注意を払う必要があります。さらに、FLCは非常に乾燥しています。私は到着して2日ほどで唇の乾燥に耐えきれず、Walmartでリップクリームを購入しました。現地のアメリカ人学生たちも、性別を問わずリップクリームを常に持ち歩いているほど乾燥しています。また、水分補給も非常に重要です。FLCに到着した際、最初に言われたのが「Drink a lot!」という言葉でした。最初は「楽しんでね!」という意味かと思いましたが、その後に「…of water!」と言われ、水をたくさん飲むように強調されました。Durangoに住む人々は誰もが乾燥を意識して、日頃からこまめに水を飲む習慣を持っています。私自身も水分補給を心がけるために、現地のスターバックスで水筒を購入し、常に持ち歩いていました。水がなくなったときには学内の浄水器で補給し、いつでも飲める状態にしていました。こうしたちょっとした工夫が、乾燥対策にはとても役立ちました。さらに、冬は-10℃まで冷え込むこともあるため、防寒対策も重要です。暖かいダウンジャケットや、雪の中でも足が濡れず保温性のあるブーツを持参することをおすすめします。現地で調達することも可能ですが、日本に持ち帰る際の荷物のスペースを考慮すると、あらかじめ日本で用意し、その分のスペースを確保して持ってくる方が安心です。
また、コロラド州では、日本では違法なものが合法である点にも注意が必要です。アメリカ人は飲み物を勧めるような感覚で気軽に誘ってくることがありますが、日本人にとっては法律的にも文化的にも非常に慎重になるべき話題です。「海外では合法でも、日本に帰国した時点で処罰の対象になる可能性がある」という意識をしっかり持ち、毅然と断ることが大切です。

[これからFLCに留学をする方々へ]
私はこの留学を振り返ってまず一番に思うことは、用意周到な準備をしておいてよかったなということです。私は通常よりも留学に出発した学年が遅かったということもありましたが、その分言語面でも文化面でもしっかりと準備をした上でこの留学に臨むことができたと思っています。私の中で、本留学は「英語を身につける」というよりも「身につけた英語を実用的に使用する」機会だったように感じます。これから留学に臨む皆さんもぜひ、日本でできる努力を最大限にした上で留学にのぞみ、アメリカでしかすることのできないことに全力を注いでほしいと思います。また、留学前に国際交流センターを通した、日本に来ていた留学生と交流する機会を通して基礎的な異文化理解を身につけることができていたように感じます。それらの準備の結果、私は1週間目から現地の学生たちとキャンプに行くなどしてスムーズに交流を深めることができていました。
国際交流センターでは、実際にキャリアの中で英語を使用してきた講師の方々から、実用的な英語を学べる「実践英語」というクラスが開講されています。私は留学までに3つの総合英語を履修し、そこでの学びがリスニング力やスピーキング力の向上に大きく貢献したと確信しています。この授業は課外授業で単位にはなりませんが、内容は非常に実践的で、英語力を本気で伸ばしたい方には特におすすめです。留学を目指している方はもちろん、英語を使って将来の可能性を広げたいと考えている方も、ぜひ一度受講してみてください。

これにて、私の4ヶ月にわたる留学レポートを終了いたします。留学を志すすべての方が、有意義で実りある留学生活を送れることを心より願っております。