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【留学レポート】 オックスフォード・ブルックス大学 外国語学部英米学科4年 Y.Y 2018年5月

 皆さん、こんにちは。オックスフォード・ブルックス大学に留学している、外国語学部英米学科の山下悠大です。現在は留学生活も残すところ一か月程となり、後期の授業の課題に追われている最中です。今回はそんな忙しい日々の中ではありますが、今までの留学生活を振り返りながら、留学を通した私の体験や考えを書き記すことにしたいと思います。

 私は、昨年の9月、オックスフォード・ブルックス大学に留学するにあたって自分の中で一つの目標を立てました。それは、自分の好きなことに積極的に取り組むというものでした。自分の好きなことというのは勉学に限らず、趣味であったり、興味を持っているもの全般のことを指し、私の中でのそれは、’音楽’でした。北九大で所属しているゼミでもイギリスの音楽について研究しており、イギリスに留学するにあたって、音楽を学問として学び知識や見解を深める一方で、自分の好きなアーティストのライブに足を運んだり、CDを買ったりすることで肌でイギリスのリアルタイムの音楽を感じたい、というのが私の目標でした。今率直に振り返って、この目標を立てたことで、様々な事を留学生活の中で体験することができたと感じています。

 まず学問の面において、私は後期の学部の授業でIntroduction to Popular Music, Disunited Kingdoms, Politics, Society and Culture in Modern Britain, RIse of the Modern Worldの4つのモジュールを受講しました。この4つのうち3つは一見名前だけ見ると、イギリスの音楽と関係性がないようにも感じますが、実はそれぞれの授業で学んだことが相互的に重なり合い、結果的には全ての授業の内容が私の音楽に対する見解を広げるのに非常に役立ちました。Disunited Kingdomsは、19世紀から20世紀前半にかけてのイギリスの歴史をイギリスを構成する4つ(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)に細分化し、それぞれの特異性や類似性を比較するという内容の授業で、私が特に興味を持ったのがそれぞれの地域間もしくは地域内で勃発する宗教対立でした。カトリックとプロテスタント教徒による対立はイギリスの歴史を語る上では欠かすことのできない問題であり、これに端を発した音楽は、U2を始め多くのアーティストによって書かれているということと関連させて更に理解を深める事につながりました。Politics~ の授業で印象に残っているのは、19世紀のイギリスの植民地化に関する内容です。植民地化によりアフリカやアジアを始め様々な文化を持つ人々がイギリスに流入することになり、結果的にその文化がイギリス固有の文化と融合し、多様性が生まれたという事実は、例を挙げるとThe Beatlesが1960年代後半にインド音楽に傾倒し既存の音楽を刷新した新たな音楽的境地に達したということと関係性があり、非常に興味を持ちました。更にRise~の授業の一つの中ではAnarchism、特にテロリストとアナキストの違いについて議論になり、ここで私が考察したのは、多くのロックミュージックは既存の文化や政治への価値観と対峙することで生まれた一つのサブカルチャーであるという事実からアナキストの活動と類似性があるという事です。このように他3つの授業で得た知識や見解を基にIntroduction to Popular Musicの授業を受けることで、様々な観点から音楽を学問として捉えることができ、非常に有意義に勉学に励むことができたと今振り返りながら思っています。

  音楽は学問という形だけではなく、ひとつのエンターテイメント、いわば人々を楽しませ、時には感動させてくれるものという一面があると実感したのも、ここイギリスで何度もライブに足を運んだ事から生まれた考えだと思っています。日本にはあまり来日しないアーティストのライブを初めて観たり、日本で一度観たことのあるアーティストのライブのロンドン公演を観て日本でのライブと比較したりと、どのアーティストのライブも私の中では素晴らしい思い出として残っています。中でも最も印象に残っている公演は、ロンドンのRoyal Albert Hallで開催されたTeenage Cancer Trustでした。この公演はガンに苦しむ少年少女にライブで集まった資金を寄付するという目的のもと、1週間程の間、日ごとに異なるアーティストが演奏を行うという音楽の祭典でした。会場の前では支援団体の人々が寄付を募っており、開演前にはガンに苦しむ1人の少女のドキュメンタリー映像が流れ、実際にガン患者の子供達がステージに現れスピーチを行いました。そのスピーチが終わった後の会場全体のスタンディングオベーションは今でも忘れられないほど壮大で感動的なものでした。この公演に参加して感じたのは、音楽は様々な面で苦しみ境地に立たされている人々を救うだけでなく、我々一般の人々とその当事者達を繋げる力を常に携えているということでした。ライブに参加し、このような考えに至る事も留学前に決めた目標を立てなかったら決して生じなかった事象であったと振り返りながら感じています。

  私の留学生活を総括すると、前述したあらゆる形の‘音楽’に積極的に取り組むという目標を立てた事が、留学生活を有意義で素晴らしい方向へと導いたとまとめることができると思っています。そのため、ここで私から述べておきたいことは、これから留学をしようと考えている人だけでなく何か新しいことに挑戦しようとしている全ての人に言えることですが、自分が興味のあることを元に目標を設定し、それを達成できるよう積極的に行動するという事です。興味のない目標を立ててもそれは長続きしません。自分が興味を持ち、好きなことを目標にすれば、例え人が口を挟んできたり、何か難解なことに直面しても、頓挫せずにやり遂げることができるというのが、私がこの文章を通じて皆さんに感じ取ってほしい事です。

 以上が私のオックスフォード・ブルックス大学での留学生活の総括です。留学のこと、イギリスの音楽のこと、それ以外にも質問や意見がある方には、快く相談に乗りたいと考えています。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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カテゴリー: 2017秋, オックスフォードブルックス大学, 新着情報, 留学レポート
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